


佐藤多佳子
心待ちにしていた完結編をようやく読めた。
『風が強く吹いている』と、この作品と、
大傑作と言えるような面白いスポーツ小説を
立て続けに読めて幸せ。
スポーツ全般が苦手な私にも
アスリートの身体感覚をリアルに追体験させてくれる
佐藤多佳子の表現力には、うならされた。
主人公の新二と、親友兼ライバルの連、
二人のスプリンターが高校3年間の競技生活で
選手としても人間としても
ぐんぐん成長していく姿がすがすがしい。
100mなどの個人種目だけでなく、
リレーという競技の魅力もたっぷりと描かれていて、
陸上は孤独なだけのスポーツではないことを
改めて実感した。
自分の身体の隅々までと向き合って、
どんな小さなサインも見逃さず
真摯に受け止める姿も印象的だった。
リレーのバトンパスを練習する場面で、
何度やってもうまくできないチームメイトに、
「〜するな」「それじゃだめだ」という言い方をしていたのを
「こういうイメージでやれ」という指示に変えたら
ぴったりハマって劇的に改善する、という
エピソードがあって、ウチダ師匠の文章を思い出した。
図書館/06.11.16読了

